FAセンサメーカーJ社開発部

リアルタイムクロックのバックアップ用電源問題を解決スマート工場のDX化を阻む電源の課題とは…

背景

ロボット技術や制御技術、IoT、AIなどの先進技術を活用する、スマート工場(スマートファクトリー)への取り組みが加速している。生産データや設備状況をクラウドに送信、ビッグデータを活用することで、高収益モデルを実現する。日本では、生産現場のインダストリー4.0の推進により、工場内のデータを常時、統合的に管理・分析可能にするため、データ可視化の整備が急務である。

課題

主電源が止まった時でも、正確な時刻を刻み続けなければならない

RTC(リアルタイムクロック)は、製造データやIoTセンシングデータをクラウドに送信・活用する際に、データを正確な時間と紐づける機能をもちます。正確な時間を必要とするアプリケーションは、自動車、セキュリティ機器、工作機械、FA機器・PLC、スマート家電など多岐にわたります。RTCが搭載された機器の電池交換時や電源喪失時に、バッテリーバックアップを適用することで時刻を刻み続け、リアルタイムに時刻を表示することが可能となります。しかし、バックアップ用の電源として一次電池では交換の手間がかかり、二次電池では高温や極寒など過酷な環境下で使用できないという課題がありました。

過酷な環境下に設置するシーンとは

RTCの過酷な環境での課題として、以下のことが想定されます。

  • AIカメラなどから取得したデータを暗号化してクラウド送信するが、寒冷地などの屋外設置や極寒地、熱帯地域などでは使えない

  • 高速マシニングセンターの工具先端など回転により高温になる箇所に設置できない

  • 高温にさらされるレーザーセンサ、ファイバーセンサ、光電センサではRTCがバックアップできない

課題のポイント

  • 寒冷地などマイナス環境下での使用が難しい

  • 熱の発生などで高温環境になる場所で使用ができない

  • 狭小スペースへの設置が難しい

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