関西大学様/帝人フロンティア様/ルネサスエレクトロニクス様/立花電子ソリューションズ様/新生電子様

伝統技術と最先端テクノロジーを組み合わせた、ウエアラブルデバイス※1を実現機能性とデザイン性を兼ね備えたデバイスがなく…

※1 腕や頭部など身体に装着し生体データを収集するICT端末

背景

近年、あらゆる場面でウエアラブルデバイスが利用され始めている。例えば生体センサーは高齢者の遠隔介護や個人の健康状態モニタリングなど、動作監視や健康管理に最適なデバイスとして用いられている。さらに新型コロナウイルス感染症の影響で、医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)も加速し、その需要は年々増加。機能性だけでなくデザイン性も求められるようになっている。

課題

強い衝撃に耐え、高精度にデータ収集できるセンシングデバイスを実現したい

関西大学と帝人フロンティアは、「センサーそのものをデザインの一部にする」というコンセプトのもと、環境配慮型素材であるポリ乳酸を圧電体※2としてセンサーに適用する開発に取り組んでいました。ウエアラブル用センサーの多くは、もろい材料が用いられ、強い衝撃がかかる箇所への使用は避ける傾向にあります。その一方で、スポーツ用品などでは、高い設計指針を損なわずに衝撃力を直接計測することができるセンサーが求められていました。
2019年1月、高分子圧電体に日本の伝統工芸である「組紐(くみひも)」の技術を用いることで、デザイン性の高いウェアラブルセンサー「圧電組紐」が完成しました。組紐構造とすることで、瞬時の応答性と高い衝撃への耐性を持ち、設計の自由度が高められます。※3

※2 圧力を加えると電気エネルギーを発生する物質の総称
※3 圧電組紐を活用した耐衝撃性デバイスの開発

デザインの自由度を損なわない、小型のデバイスモジュールが欲しい

着用の邪魔にならず、気軽に身に着けられるウェアラブルセンシングデバイスは、スポーツ分野だけでなくファッション、インテリア、ヘルスケア分野でも求められています。しかし、圧電組紐のデバイスモジュール用の電池に課題がありました。一般的な電池は小型でもかさが高いものが多く、モジュールが大きくなってしまうことから、設計デザインの自由度が低くなります。さらに身体に直接装着するために、安心・安全な電池も必要となります。圧電体からの微弱な電力を活用でき、安心・安全でデザイン性の高いデバイスモジュールが求められていました。

課題のポイント

  • デバイスモジュールが大きく、デザインの自由度が低い

  • 圧電体からの微弱な電力が活用できる小型・薄型のモジュール用電池がない

  • 身体に直接触れるので、液漏れのない安心安全な電池が必要

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