解決
環境発電からの微弱な電力もしっかり貯められる高出力な電池を発見!
スマート農業をより現実的にするセンサシステムが完成
解決のポイント
低抵抗なEnerCeraなら、環境発電からの微弱な電力を貯められ、無線データ通信を駆動できる
キャパシタに比べて自己放電値が小さく、電力の長期保存が可能。天候が悪く環境発電素子から十分な電力が供給されない場合も、安定動作可能なセンサシステムを実現
耐熱性が高く、低温環境でも動作するため、過酷な天候にも対応
リフローソルダリング※に対応しており、大量のセンサシステムを低コストで量産可能
※リフローと呼ばれる装置で、電子機器のプリント基板上に搭載した電子部品を、一括ではんだ付けする技術
低抵抗で、環境発電からの微弱な電力でも貯められる「EnerCera」
ルネサスのスマート農業センサシステムの担当者H氏は、日本ガイシの超小型リチウムイオン二次電池「EnerCera」の担当者とアメリカの展示会で出会いました。
担当者の話によると、低抵抗なEnerCeraなら、環境発電からの微弱な電力でも貯めることができ、無線データ通信を駆動することも可能になるとのこと。またキャパシタに比べて自己放電値が小さく、貯めた電力を長期間保存することが可能。EnerCeraの特性を生かせば、天候が悪く環境発電素子から十分な電力が供給されない場合も、安定的にセンサシステムを駆動することができることから、ルネサスのセンサシステムとEnerCeraとの相性の良さを感じました。
過酷な天候下でも難なく作動!スマート農業にピッタリの電源「EnerCera」
サンプルの提供を受けたH氏は、早速、EnerCera Coinをルネサスの「REマイコン」を使った環境発電センサシステムに組み込んで動作検証を行いました。結果、期待どおり、微小な発電電力を効率よく蓄電し、かつ、大きな電流放電を要する無線データ通信が可能なセンサシステムを実現しました(下図参照)。一次電池が不要なばかりでなく、EnerCeraは耐温度環境性能が高いため、温度環境変化の大きなスマート農業センサシステムには最適なソリューションであるとH氏はコメントしています。
今回の協業を機に、スマート農業センサシステムだけでなく、ルネサスの半導体製品群とEnerCeraを使ったさまざまなシステムの開発を進めたいとルネサスでは考えています。

ルネサス製センサシステム システムブロック図