RFIDメーカーZ社製品開発部

RFIDタグの電池容量不足を解消コンテナ用RFIDタグの電池容量不足で温度管理ができず、あわや大トラブルに…

背景

食品の輸出入や管理方法に対して、国内ではHACCPに沿った衛生管理が必要とされるなど、規制が厳しくなっている。そうした中、顧客にRFIDシステムを納入したZ社は、温度センサー付きRFIDタグのメンテナンス作業に追われていた。

課題

異常を感知するはずのRFIDタグに起きた異常とは

こうした作業に踏み切ったのは、同業の輸入業者が起こした問題を伝え聞いたことが発端でした。温度管理に利用しているRFIDタグが原因で輸送した大量の食品や飲料を傷めてしまったのです。Z社がタグのチェックを実施すると、電池容量が低下しているタグが多数見つかりました。この問題の原因は、コンテナの温度管理に使っていたRFIDタグの電池が切れて、温度異常を感知できなかったことにあったのです。Z社の製品開発部は同様のトラブルを未然に防ぐための対策について、協議を行いました。

対策案で、新たな課題が浮き彫りに…

この協議の中で、RFIDタグが電池切れになる前に全て回収する案が出ました。内蔵されたコイン電池(一次電池)に換えて、返送する方法です。しかし、その方法だと大量のタグの回収・再配送が必要な上、手作業でタグの分解、電池交換などを行うため時間がかかります。さらにランニングコストもかかることから現実的ではないと判断。また、電池を増やす、または大型化するなどの意見も上がりましたが、タグの価格やサイズに影響するため、ユーザーの理解を得るのは難しいと想定されました。

課題のポイント

  • 温度センサー付きRFIDタグ(一次電池搭載)の電池容量低下による検知ミスを防ぎたい

  • 電池切れ前の回収や新品への交換は、大量の手作業とランニングコストがかかるため現実的ではない

  • 電池を増やす、あるいは大型化する場合、タグの価格やサイズに影響するため、ユーザーの理解を得るのは難しいと想定された

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